福善寺の歴史

福善寺の歴史

近江の国は真宗に縁がある土地として知られております。その中で、福善寺は古くから門徒23戸の菩提寺として護持されてきました。

また開基以来、幾世代の中で多くの篤信者を輩出し、現・野田山町を中心に地域の念仏道場として機能していました。

しかし、永い歳月を経て、本堂や庫裏が痛み、門徒様方の心を痛めておりました。

そんな中、前住職が勤務する京都の日野誕生院(親鸞聖人誕生の地)で、庭内整備のため、お堂が一棟処分されることとなりました。そこで前住職が本山(西本願寺)へ請願し、お堂を譲り受けることとなりました。

日野誕生院のお堂が移築されるにあたり、門徒・婦人会が降雪や寒風の中、資金となる浄財調達に奔走し、なんとか準備が整いました。

そして昭和50年3月、遂に福善寺の本堂と庫裏が完成となりました。これも住職と門徒皆様方の強い思いが一つとなったことの賜物です。決して豪華絢爛ではありませんが、由緒があり、こじんまりとした本堂でございます。

このような先人のご苦労があり、今日、福善寺では念仏の声が途切れることなく続いております。

(参照:記録板『福善寺再建の由来』福善寺所蔵)